白神山地で遭難した話
登山ってしたことありますか??
私はあんまりないです。大自然と触れ合うことでリラックスでき、若者からシニア世代まで幅広く楽しまれていると思います。アニメでもヤマノススメとか、ゆるキャン△とかやってますよね。ゆるキャン△を友人に見せるとキャンプ行こうぜって連絡が来る現象に名前つけたい。
先日、私は白神山地にある駒ケ岳に登山に行ってまいりました。駒ケ岳は標高1,158の山です。詳細は、、、各自で調べましょう(登山エアプ)。
なんで登山したことないのに登ったのさ?
そこに山があったから(条件反射)。
というわけで、まず、白神山地に行こう!ってのが事の始まりでした。白神山地行きたいけど、どこ行ったらいいかわからん!(多分ディズニーランド行ってどのアトラクション乗ろう?ってノリ)って感じだったので、とりあえず、「白神山地世界遺産センター(藤里館)」に向かいました。
そこの観光案内の方に、散策コース、登山コースについてご説明いただき、時間もあるし(午前11時過ぎくらい)、若いし(そうだよ)登山すべ!ってことで藤里駒ヶ岳を登ることになりました(クッソどうでもいいけど観光案内所の入口がわからなくて裏口をガチャガチャしてたら、正面からどうぞ^^って言われて恥ずかしかった)。「登山ルートは2つあって、、、、どちらか選んで登ってください」とご説明いただきました(重大な伏線)。あと、この地点過ぎたら買い物できないから、飲料食料買って行ってね!とのことでした。私はとりあえず飲み物だけ買って食べ物は下山してから食べようってことで買いませんでした(プレミ1)。
というわけで、目的地の登山口まで、車で1時間くらいの山道(当然くねくねした道だから酔う人は間違いなく酔う)を通り抜けスタート地点に到着しました!
スタート地点
高い!涼しい!スマホは圏外!
コケティッシュ!(ここでの意:苔がきれいだった)
※
なだらかな山道を歩いていくと、、、
広々としたところに出ました!綺麗!大きなカメラを持って撮影を楽しんでいる方が2、3組いました。
インスタ映えスポット(インスタエアプ並感)
ここからちょっと行ったところで、少し先にスタートした登山者とすれ違いました。このときは、登頂したにしては早いし、まあ途中で引き返して来たのかな〜と思いました。
そんでしばらく歩いていたんですが、だんだんきつくなってきたんですね。
具体的には、傾斜が急になってきたり、
足元がぬかるんでたり(前日雨)、
道がやたら狭かったり(4~50cmで横斜面みたいな、写真とる余裕はなかった)、木が倒れてて道を塞いでたり
(多分直近の台風の影響?じゃないかと思う)。
あと当然スマホが圏外になった。登山エアプの我々にとっては結構きつくて、「山舐めたらあかん!」を少し実感する次第でした。そらさっきの人引き返すわ。ていうか、案内所の人、我々の山のぼるにしてはカジュアル過ぎる服装見てこの山登ると良いよって勧めたんだよな…。
とまあ、足元も悪くゆっくりと進んでおりましたが、なんとか登頂することができました!
やったね!
素晴らしい景色!あと山頂は電波が通じる!すごい!
余談ですが、山頂とその付近、トンボと羽虫(アブ?とか)が尋常じゃなく多かったです。写真は撮り忘れたんですが、10秒おきに耳元にブーンってくるくらいに多かったですね。
山頂でちょっと休憩した後、そろそろ下山すっか!ということになりました。ここで観光案内の方の「登山ルートは2つあって、、、、」という言葉、結構きつかった登りのルート、そして目の前にある山頂から伸びるもう1つの道、、、、
ッ!!、、見えたッッ、、!!!
(登頂ルート2つあるって聴いてたら帰りは別のルート行きたくなるのは常人の思考だと思いたい)
という衝動が起こり、行きとは別の道を使って下山することにしました(SSS級プレミ)。ちなみに、観光案内の方から地図をもらっていましたが、ここでは確認しませんでした(SSS級プレミ2)。
そんなわけで、行きとは違う道を進みます。最初、やたら山の稜線の部分を進む道が多いし、なんか下山しているのに登っている道あるしで、何度か「本当に道あってる?」って皆で話していたんですが、
「登頂ルート2つあるんだからこれは2つ目の道。つまり元のスタート地点に戻れる。間違いない(圧倒的な自信)」
により、地図を確認することなく、歩き続けました。
で、こちらの道はどんな感じでしたの?ということですが
険しい!!!!というのが率直な感想です。
例えば、鎖をつたって降りるタイプの斜面、
あんま伝わんないかも知んないけど、隣↓
これだぜ???(落ちたときどう受け身をとるか何度も考えた)
あと、登りよりダイナミックに倒れた大木が道を塞いでいたり、
楽しい(無邪気)
足を乗せようとしたおっきめの岩がごろっと取れたりしましたね(こういうのマジで焦るからやめて)。なんで登山エアプのくせに前日雨で敢行したんや。。。危ないところが多々あったんですが、下山中カメラ首に下げてるのは危ねえなと思ってスマホでちょっととった写真しかないので、画像はあんまないです。気になった人は登ってみようね!!!
そんなこんなで、悪戦苦闘していましたが、なんとか下の方まできました。なんだか知りませんが、道が整備されたばかりという感じで(耕したばかりの畑みたいな)、かなり歩きやすくなりました。
いや、、、でもおかしい。知ってる道に出ないんだ。。。。という気持ちも湧いてきた頃突然、
カーン カーン(謎の音)
我ら「???」
なんの音??
もう少し進むとそこには登山道を整備している人が。
我ら「ニンゲンだ!!」
↑人間を見つけた我ら
…いや、本当に人間か??
時刻も15時過ぎ。朝飯8時に食べてから7時間経過し、腹減って疑心暗鬼になっていました。
お仕事中に失礼する訳ですので、「こんにちは~すみません、通ってもよろしいでしょうか~(ヘコヘコ)」とお声かけしたところ、少しキョトンとした顔を一瞬されたあと(重大な伏線)、いいよとのことで、整備したての道を通らせていただきました。今までの泥道、斜面を歩いた足の疲れはピークに達しようとしていたので、これは非常にありがたかったです。
そしてやっと!!!登山口に到着!!!!登山口の看板的なものを確認!!!
「「「樺岱コース登山口」」」
我ら「?????????」
あ、、、
やっとここで地図を確認。すると、、、
反対側来とるやんけ。
私「反対側来ちゃった」
このときの皆の絶望した表情が忘れられない。
なんとか平静を保ち、どうにかして車のある反対側の駐車場に戻ろうと考え、登山道を整備していた方に聞いてみることに。すると、
- 元の駐車場に山の周りを歩いて戻るには車で2時間弱ほどかかるということ
- それをするならもう一度山頂に戻り引き返したほうが早いということ(今思うと下山して来た登山者にもう一回登ることを提案するってすごい鬼畜)
を教えていただきました。
車で2時間弱って歩いたら何時間なの…このとき16時くらいで空腹と疲れ、そして飲み物も尽きていたので、絶望しかありませんでした。どうするのかも考えずに、山頂へ戻る体力も時間もないので、山の周りで戻るルート、、、、の逆を歩き始めました(意味不明)。疲れてみんなどうかしていた…(途中で道がなくなって道がない雑木林になっているところを、私が流石にこの道は違うだろと呼び止めて戻った)
思考力の低下も感じてきたので、戻って整備中の兄貴に相談することに。そこで、ご厚意にも作業が17時に終わるから、街までトラックの荷台に乗せて行ってあげようか?と提案していただきました。人間ってあったけえ・・・。
ここで我々は、
タクシーが呼べるところ(街)まで運んでもらい、タクシーでとりあえず宿まで帰り、翌日またタクシーなどを使って車のある駐車場まで行き、車を回収する
という計画を立てました。タクシー代がいくらかかるとかは考えないようにした。
17時にはまだ1時間ほど時間があったので、とりあえず歩けるとこまで歩いてみます~と言って、歩き始めました。冷静に考えると、山道を歩いて行って街まで戻るには5時間以上かかりそうでしたし、体力をこれ以上使うのも得策とは思えないので、17時まで登山道整備でも見学しつつ大人しく待っていた方が良かったと思います。ていうか「街」とは?(哲学)
そして16時45分頃ー後ろから車の音が。
ん?早くない?という気持ちがしましたが、道の端で待つことに。すると、整備の方がトラックでいらっしゃいました。そして、
整備の方「~~~~で遭難~~~~で連絡~~~~」
…?
訛りがすごくてなんて言ってるかわからん。
でも、私たちを遭難者として救助の連絡をしてくださったようでした。
整備の方「~~~~世界遺産センター~~~~~駐車場~~~~」
私「そうです!そうです!(知っている単語に食らいつく人間の姿)」
(↑ガチ恋できる方のそうですそうです)
なんと救助してくださるだけでなく、もといた駐車場まで乗せて行ってくれるそうでした(多分そんな内容だと思う)。突然現れた山舐めたやつらにここまでしてくれるなんて、人間ってあったけえ…。
16時15分ごろに救助の連絡をしてくださり、1本道なのでこのまま歩いていたら、来るそうなのでこのまま歩いてていいぞとのこと。とりあえず、圧倒的感謝を伝えました。
整備の方は引き返して行きました。私たちのためだけに来てくれたの申し訳ないです。人間ってあったけえ…。
そして、ここで気づいた。
遭難してたのか…僕たち…。
ニュースで遭難者の事故はよく見ますが、まさか自分たちがなるとは全く思いませんでした。ニュースで大学生グループが遭難したとかありますが、多分一部はこういうノリで遭難してたんだろうなと実感しました。
10分ほど歩いていると向かいから自動車が。近くまで来ると、窓が開いて、
「君たちかw」
と言われました。気さくな方だった。かなり疲れてはいましたが、自分が蒔いた種、どんなお叱りも受ける覚悟でしたが、いい思い出になったねと笑いながら話してくれてありがたかったです。
そこでいくつかお話伺ったんですが、
- 熊に襲われて血だらけで救助される人もいたこと
- 道中すれ違った方の一人は熊除けの猟会の人であったこと
- 私たちが下ってきた整備したての道は、白神山地の世界遺産登録25周年を祝ってつくられる予定の新しい登山道であったこと
を教えていただきました。ほんま大事にならんくて良かった。あと、なんだかわからんが、記念の新しい登山道を歩いた1組目になってしまった。
車で拾っていただいた後は、特に問題もなく、無事にもといた駐車場まで戻ることができました。時刻は19時ごろ。もう真っ暗でした。ここまで乗せてくれたことへの感謝を述べると、
「帰りは道を先導して行くからついてきてね~人里まで出たら私は消えるので、あなたたちもそのまま行きなさい~」
聖人すぎる
本当にありがとうございました。
この後は大きな問題もなく、車に乗って宿に戻ることができました。帰り道の運転マジで暗くて田舎って感じだった(語彙力)。これにて駒ケ岳登山から無事帰ることができました。
帰りあたりの出来事をダイジェスト形式でお送りします。
- 救助で来てくださった方がなかなかスピードを出していて(暗くなってきたから急いでくれたんだと思う)、友人Yが車酔いになる。ちょっと吐いてくると、車の外に出るが、腹に何も吐くものがないと戻ってくる。
- コンビニを楽園と見間違う。
- コンビニで食べ物のありがたみを感じ、夜食を買いまくる(結局食べなかった)。
- 本来19時半までしか食べることのできない宿の夕食を22時まで待っていただいて、しっかり食べる(ほんま迷惑しかかけてねえなこいつら)。
- 友人Sが疲れからか、風呂でシャワーの使い方を忘れる。
- 私が何かを話していたが、疲れからか、途中で何を話していたか忘れる。
寝床についたら、泥のように眠りました。そして次の日は足全体がとんでもなく筋肉痛でしたね。
というわけで、今回のお話は以上となります。
今回の教訓は、
山登るんなら準備はしていけ、あと地図は見ろ
ってことですかね。
それではまた。
~終~